なんだかんだで看板豆知識シリーズも3回目を迎えることになりました。
看板屋工房のHです。
今回は看板とはちょっと違いますが、窓ガラスについてのお話です。
広くて平滑な窓面は大きな広告塔にもなりますが、意外な落とし穴も含んでおります。
その辺をちょっと解説いたします。
建築基準法や消防法で定められている「防火地域」と「準防火地域」では「網入りガラス」の設置が義務付けられています。
札幌市の場合、下記より防火地域」と「準防火地域」を確認できます。
https://www.sonicweb-asp.jp/sapporo/map?theme=th_28&layers=th_4,dm#layers=dm%2Cth_4
「網入りガラス」とは、その名の通り、ガラスの内部にワイヤーが埋め込まれているガラスです。
これは防犯のためと思われがちですが、実は防災設備の一つであり、防犯用ではありません。
ワイヤーが埋め込まれているため、火災などの場合、熱でガラスが膨張し割れてしまっても、ガラス片が飛び散らず、火の延焼を防ぐ効果があります。
防災設備としては効果的な網入りガラスですが、万能とは言えません。
ガラスは意外と伸縮性があり、気温の変動で伸び縮みします。
しかし網入りガラスは、ガラス内に異物(この場合はワイヤー)を含んでいるため、分子同士の結合が弱くなり、寒暖差で割れるケースもあります。
我々が主にウィンドウサインの製作で使用する素材は「塩ビ」です。これも気温の変動で伸び縮みします。
ワイヤーなしのガラスの場合、ガラスも一緒に伸び縮みするので問題ありませんが、網入りガラスの場合、塩ビの伸縮性と網入りガラスの伸縮性の差異に加え、直射日光が当たると、塩ビとガラスの間に発生する高温が、よりガラスの伸縮を強いものにし、ガラス分子の結合を崩すため、ひび割れが起こりやすくなります。
対策としては、網入りガラス面「全面」にサインを貼るのではなく、部分的な表示、例えば帯状にシートを貼るとか、カッティングシートで文字のみの表示にするとか、とにかくガラスとシートの設置面を抑え、熱を吸収しやすい濃色を避けることです。
例外として、真北向きの窓は直射日光が当たらないため、弊社の実績上、問題ないようです。
もしウィンドウサインをお考えなのに、ガラスが網入りガラスだった場合でもご相談下さい!
最適なご提案をさせて頂きます!
[ 2019-07-24 ]